大阪府各エリアで2022~2025年前半に竣工写真を撮影させていただきました建物用途をまとめてみました。

年間300棟以上の撮影をさせていただく中で、大阪府内のエリアごとの用途や建物の特徴に地域性があることを実感しています。以下に、大阪府内において、エリア別に撮影させていただくことが多い建物用途についてご紹介いたします。

【大阪市内・北区〜中央区】

このエリアでは、オフィスビル、飲食店、ホテルや民泊、商業施設、そして集合住宅(特にマンション)の撮影が多いです。

■ オフィスビル

新築も多くありますが、ここ3年ほどはリノベーション(リフォーム)物件の割合が増えています。

撮影規模はさまざまで、テナント1室であれば1時間〜1時間半ほどで撮影が可能です。
ビル1棟全体の場合は、規模にもよりますが、2時間半〜4時間ほどかかるケースが多いです。

■ 飲食店

レストラン、居酒屋などは、店舗により大きく内装や雰囲気が異なるため、撮影方法も様々です。
高級店では、暗めのライティングと強めのコントラストで「雰囲気重視」の写真に。
一方、大衆店では明るめに撮影し、空間を広く見せることで席数や個室の存在をアピールするよう工夫しています。撮影前に「高級感を演出するか、大衆向けに撮るか」の確認をさせていただいております。

■ ホテル・民泊

大阪万博開催の影響もあり、ここ2年で宿泊施設が急増しました。

・ホテルは、ビジネスホテルが中心で、外観、フロント、ロビー、客室、大浴場、ランドリー、自販機コーナーなどの撮影が基本です。撮影時間は2時間前後が一般的です。

・民泊は間取りや設備が多様です。全室撮影となるケースが多く、備品(書や絵画、冷蔵庫、レンジ、洗濯機、食器、アメニティ類)も撮影対象とするのが一般的です。所要時間は1時間〜1時間半程度です。

■ 商業施設

百貨店・イオンモールなどの大型商業施設から、商店街の小規模テナントまで様々です。
建物規模によりますが、通常は1時間〜1時間半、規模が大きい場合は最大で4時間程度かかることもあります。

■ マンション

3LDK・4LDKの物件を撮影させていただくことが多いのですが、従来の3LDK・4LDKとは異なる個性的な間取りの物件を時々、撮影させていただくことが増えました。例えば、今月撮影させていただきました104㎡もある2LDKのマンションは、LDKに「書斎+ライブラリー+倉庫」の書斎コーナーを備えた特徴のある間取りの物件でした。

個性的な間取りのマンションの場合、オーナー様が海外の方であることが多いです。今後も、この傾向は進むと予想されます。

【大阪市内・南部・東部】

このエリアでは戸建住宅が中心で、次いで飲食店、民泊、小規模商業施設の撮影が多くなっています。マンションもありますが、比較的小規模もの多いです。

■ 戸建住宅

3階建の住宅が多く、2階建なら1時間程度で撮影可能ですが、3階建は部屋数や上下移動が増えるため、1時間半ほどかかることが多いです。リノベーション物件も多く、2部屋を1部屋にするなど、広い空間への変更が見られます。

【大阪府・北部】

住宅エリアが多く、戸建住宅や集合住宅、単独店舗、ショッピングモール内の商業施設のほか、医院・クリニック、老人ホーム、自社ビルなどの撮影も多くなっています。

■ 戸建住宅

2階建が主で、延べ床面積が広めの住宅もあります。新築6割、リノベーション・リフォームが4割程度。注文住宅の割合が高く、一級建築士事務所設計→工務店施工の物件もよく見られます。意匠にこだわるお施主様が多い地域です。

■ 医院・クリニック

比較的、駅近のクリニックモールに入る新規開院からの撮影依頼が多いです。
撮影時は清潔感を大切にし、白基調で明るく仕上げます(ホワイトバランスで照明色の映り込みを抑えます)。
MRI撮影には注意が必要で、磁力の影響を避けるため安全対策を取りながらの撮影となります。
撮影は開院前が多く、衛生面に配慮しながら進めます。
老人ホームはクリニックよりもホテルに近い撮り方で、例えば、木目や温かみのある内装に合わせた設定など、意匠が際立つように撮影します。

【大阪府・東部】

北部エリアに似ていますが、2階建て戸建住宅の規模はやや小さく、建売住宅の比率が高めです。
東大阪エリアでは工場が多く、工場の撮影が多いエリアです。隣接するオフィスの両方の撮影を行うこともあります。

【大阪府・南部】

戸建住宅が比較的、多いエリアです。注文住宅も一定数ありますが、建売住宅の撮影が多いエリアです。
建売住宅は1日に複数棟まとめて撮影することが多い地域です。
クリニックや老人ホームの撮影も多いエリアです。
また、関空と大阪市内の間に位置する駅周辺では、民泊の撮影依頼も多くいただいております。